スマートグラスを使えば、実行中のClaude Codeセッションをコンピューターから移さずに、その様子を小さな画面でのぞけます。この個人的な構成では、自作のスクリプトがセッションの更新をスマートフォン経由でグラスに送り、手に持つボタン式コントローラーが操作と音声入力を担います。ここで押さえておきたいのは、市販のグラスと自作のハードウェア・ソフトウェアを組み合わせて動かしている構成だという点です。Claude Codeやグラス標準のアプリで設定を切り替えれば使える機能ではありません。
セッションの中心はあくまでコンピューター
セッションはM4 Proチップを搭載したMac miniで動いています。セッションはtmuxで維持されます。tmuxはターミナルのセッションを動かし続け、後から戻れるようにするツールです。グラスには実行中のセッションの一覧が表示され、どれを追うかを選べます。サンプルのセッションでは、HTMLとCSS、少量のJavaScriptで作った陶芸工房のランディングページを扱っています。
Claude Codeは、進行中のセッションの記録(トランスクリプト)をコンピューター上のファイルに書き続けます。自作のスクリプトはターミナルの画面を映像として転送するのではなく、このファイルを監視して新しい内容を取り出し、処理したうえで専用のスマートフォン用ソフトウェアを通じてグラスに渡します。これにより、元のセッションをMacに置いたまま、過去のやり取りと新しい応答の両方をグラスに表示できます。グラスに標準搭載されたターミナルモードは独立したセッション経路を使うため、それを避ける狙いがあります。
手持ちのコントローラーも自作で、専用の回路基板と3Dプリントできるケースで構成されています。ボタンでトランスクリプトを1行ずつスクロールしたり、1ページ単位で移動したり、プロジェクトの説明文書のような長い補足資料を展開したりできます。最新の応答だけを流す表示に比べ、こうした操作があることで小さな画面でも作業を見直しやすくなります。

▲ グラスへ届く自作のセッション経路
プロンプトを話し、送るかどうかを自分で決める
入力には、Mac上でローカルに動くWhisperの音声認識を使います。WhisperはMetalを利用します。MetalはAppleが自社チップで計算処理を高速化するための仕組みです。話している間は、認識中の下書きがグラスのヘッドアップディスプレイ、つまり装着者の視界に収まる小さな表示に現れます。
話し終えると3秒のカウントダウンが始まります。その後Whisperが最終的な文字起こしを行い、テキストを送信可能な状態にします。あるテストでは、画面に毎分205語という文字起こし速度が表示されました。この数値はそのテストでの表示であり、どの構成でも期待できる速度ではありません。
認識された言葉がそのままClaude Codeに送られるわけではありません。ユーザーがコントローラーのボタンを押すと、テキストがプロンプト入力欄に入り、既存のtmuxセッションに送信されます。サンプルのWebサイトを要約するよう求めると、構造化された回答がグラスに1行ずつ表示されました。音声認識は音声を外部のクラウドAPIに送らずMac上で行われますが、これは口述入力の段階の話であり、Claude Codeの作業全体を指すものではありません。
文字起こしと送信を分けることで、ユーザーは実行前に認識結果を確かめられます。コントローラーも単なるスクロール用の装置ではなくなり、少数の物理ボタンで話した内容を既存のコンピューター作業につなげる役割を持ちます。
作業に合わせて画面を選ぶ
この構成でグラスが向いているのは、短いテキストの確認、プロンプト入力、進捗のチェックです。取得したWebサイトのスクリーンショットを緑の単色で表示し、コントローラーのボタンでパンやズームもできますが、スマートフォンの画面ほどの細かさや色は再現できません。フルカラーの画像を確かめるにはスマートフォンを使います。長時間のコーディングや複雑なキーボード作業では、セッションを手放すことなくMacのターミナルに戻れます。

▲ 3つの画面での確認
グラスからスマートフォン、そしてデスクトップへと段階的に移るこの流れが、構成全体の考え方です。すべての作業を小さな画面に押し込む必要はありません。机を離れても手早く確認できる状態を保ちつつ、作業に応じて大きな画面とキーボードも使えるようにしています。
まとめ
このワークフローは、継続的に保存されるセッションのトランスクリプト、ローカルの文字起こし、スマートフォン用ソフトウェア、自作のボタン式コントローラーを組み合わせ、音声入力とグラスの表示をClaude Codeにつないでいます。立ったままや移動中でも作業を確認したりプロンプトを送ったりでき、その後コンピューターで細かな作業を再開できる点が魅力です。疲労や反復性ストレス障害が減るという評価は、この個人的な構成についての見方であり、測定された健康上の結果ではありません。同様のワークフローを検討するなら、まずどの作業が小さなテキスト表示に向き、どれにスマートフォンが必要で、どれがなおデスクトップで行うべきかを見極め、それらをつなぐための自作部品も考慮に入れる必要があります。