OpenAIのCFO(最高財務責任者)サラ・フライヤー氏は、DevDay当日、同社の成長の数字とモデル公開の方針を説明しました。フライヤー氏によると、第3四半期の全体の売上は前四半期比で70%超増え、法人向け(B2B)の売上は7月初め以降で倍増しました。新たに発表したエージェントのdotsはまずChatGPT Proと法人向けの製品で提供し、次の最先端モデルであるGPT-6.1 Astraは、安全性とアライメント、つまりモデルの振る舞いを意図した目標に沿わせる取り組みを理由に公開を控えているといいます。
フライヤー氏が示した成長の数字
| 項目 | フライヤー氏の説明 |
|---|---|
| 全体の売上 | 第3四半期に前四半期比で70%超の増加 |
| 法人向けの売上 | 7月初め以降で倍増 |
| 消費者の利用規模 | 週間アクティブユーザー12億人 |
| 法人の利用規模 | OpenAIのプラットフォームを使う組織250万 |
| 資金調達 | 第1四半期に$1,220億 |
これらの数字は、比較の基準と期間がそれぞれ異なります。売上の伸び率はある四半期を前の四半期と比べたもので、法人向け売上の数字は7月初めと現在を比べたものです。いずれも同社自身が示した数字です。
フライヤー氏は、消費者向けの成長の一因として、画像と音声の機能の改善と、新学期や仕事への復帰の時期に伴う季節的な利用を挙げました。法人向けでは、専任の営業チームと、コーディング、サイバーセキュリティ、ライフサイエンス向けに調整した製品を挙げました。中小企業向けには、5時間ごとの利用間隔ではなく終日のワークフローで使えるよう設計した、月額$100のプランを導入しました。
OpenAIのdotsは普段使っているツールとつながる
フライヤー氏は、AIが質問への回答や推論を超え、日々の仕事を先回りして支える段階へ移りつつあると説明しました。その変化の中心にあるのがOpenAIのdotsです。AIエージェントは継続的なタスクを引き受け、接続したツールの情報をもとに行動できます。dotsは、利用者が接続したメール、カレンダー、Slackのチャンネルを活用し、見落としがちな仕事を知らせます。たとえば、翌日に投稿予定のLinkedInの下書きを仕上げるよう促すといった具合です。過去のChatGPTでの会話や利用者の習慣から得た文脈も使えます。

▲ 業務ツールをまたぐ先回りの支援
OpenAIは、dotsをまずChatGPT Proと法人向けの製品で提供し、その後12億人の幅広い利用者へ広げる計画です。MetaのMuseのような競合製品に対して、フライヤー氏は、OpenAIの強みは基盤となるモデルにあり、GPT-6.1 SolがAstraの5分の1のコストで最高水準の知能を提供すると述べました。12億人の消費者と250万の組織に届く配布網も、持続的な優位性として挙げました。ただし、これらは同社が示す強みであり、すべての通知やワークフローが役に立つことを保証するものではありません。
安全性のためにモデル公開のペースを調整
フライヤー氏は、安全性とアライメントは常にOpenAIの開発の中心にあったと述べました。その方針に沿って、OpenAIはGPT-6.1 SolとGPT-6.1 Lunaの開発を進める一方、最も高性能なモデルの1つとなる次の最先端モデル、GPT-6.1 Astraの公開を意図的に控えています。この説明はGPT-6.1 Astraの公開日を示すものではなく、どのモデルにもリスクがないことを証明するものでもありません。
企業の懸念は具体的です。企業は、自律的に動くエージェントが自社のシステム内で予期しない障害を起こすことを心配しており、フライヤー氏はサイバーセキュリティを企業の経営層にとって最大の懸念に挙げました。オープンソースのモデルが急速に進歩するなか、防御側に残された時間は短くなっているとの見方です。OpenAIは経営層やパートナーと協力し、モデルを使って企業のインフラを点検し、脆弱性を見つけ、長期的なセキュリティの手順を整えています。

▲ 段階的なモデル公開と企業の防御
計算資源と自社チップ
フライヤー氏は、計算資源は競争上の強みであると同時に絶対的な条件であり、計算資源がなければ売上もないと述べました。OpenAIは複数のインフラパートナーと組んで安定した計算資源を確保し、条件を交渉しているほか、推論、つまりモデルを動かして応答を生成する処理の効率を高めるため、自社のチッププログラムで独自のハードウェアを開発しています。金利の上昇については、第1四半期に調達した$1,220億を挙げ、OpenAIが保有する現金の利回りを高めていると説明しました。
組織が確認すべきこと
dotsのような先回り型のエージェントを導入する前に、どの業務ツールを接続し、それぞれにどのようなアクセス権を与えるかを決めておきましょう。サイバーセキュリティが最大の懸念に挙げられている以上、モデルを使った脆弱性の点検は、既存のセキュリティの手順の中で、その担当パートナーと連携して行うべきです。小規模な企業は、月額$100のプランの終日利用という設計が、自社の実際の仕事の進め方に合うかを比べられます。成長の数字と公開の計画は同社自身の説明であるため、実際の条件は各プランの案内で確認する必要があります。