ChatGPTのWebインターフェースは、OpenAIのコーディングアプリCodexに近づきつつあります。更新されたナビゲーション、プロジェクトの管理機能、テーマ、プロフィール表示からは、両者の作業環境の共通化が進んでいるように見えます。いずれは環境を切り替えずに、会話からコーディングへ作業を引き継げるようになるかもしれません。ただし、現時点で確認できる変更だけでは、OpenAIが両アプリを統合するか、利用上限の仕組みを変えるかは分かりません。
ChatGPTで何が変わったのか
ChatGPTのWebインターフェースには、引き続きChatとWorkの選択肢が別々に表示されています。その下では、拡張されたサイドバーからHome、Scheduled Tasks、Libraryにすばやくアクセスできます。更新されたLibraryでは、ProjectsやGPTsなどの表示項目に加え、Health、Finances、Sites、Mapsといったカテゴリーで保存されたものを整理できます。これは作業内容を探して管理する方法の変更であり、ChatとWorkが一つのモードになった証拠ではありません。
Scheduled Tasksには、会話で依頼するだけでなく、専用の設定項目が用意されました。タスクにはタイトル、詳細、毎日または毎週という実行頻度、実行時刻、終了条件を設定できます。定期的な作業を確認し、調整しやすくなる可能性があります。

▲ タスクとプロジェクトの新しい管理機能
Projectsにも、管理のための機能がより分かりやすく表示されるようになりました。プロジェクトとその中の会話が最後に利用された日時を確認でき、プロジェクトや個々の会話をピン留めできます。プロジェクトの設定と削除の操作も同じ場所にあります。継続中の作業に戻る際、雑多なチャット履歴を探し回らずに最近の会話を見つけられます。
Codexとの類似が最も明確なのは、設定とプロフィールです。ChatGPTのAppearanceメニューには、GitHub、Dracula、Everforest、Gruvboxなど、Codexと同様のテーマが並びます。プロフィール欄には、累計トークン使用量、最長タスク、日別の活動状況などが、Codexのデスクトップアプリとよく似た配置で表示されます。トークンとは、AIモデルが処理するテキストの単位です。こうした共通点は操作体験の統一が進んでいることを示唆しますが、設定項目が似ているだけでは、アプリの共通化は確認できません。
GPTsのエリアには、12月11日までにCustom GPTsをプラグインへ移行するよう促す別の通知も表示されています。通知では、プラグインが既存のCustom GPTの設定の新たな移行先とされています。これは対象ユーザーが実際に対応すべき事項であり、ChatGPTとCodexの統合予測とは別の話です。移行用の操作を試すと、一時的に「Too many requests」というメッセージが表示されたため、移行が実際に完了したか確認する必要があります。
一つの作業環境にも複数の形がある
Xで出回ったコード関連資料にある「Web Merge」への言及も、OpenAIがChatGPTとCodexの足並みをそろえているという印象を強めます。ただし、最終的な製品設計、公開日、利用上限の方針は分かりません。ユーザーにとって最も重要な違いは、画面の統合に伴い、チャットとより負荷の高い作業に使える利用枠まで統合されるかどうかです。

▲ 作業環境と利用上限の構成案
考えられる構成は、次の三つです。
- 画面は一つ、利用上限は別々。 ChatとWorkを共通の作業環境に置きながら、利用量のカウンターは別々に維持する形です。行き来は簡単になりますが、各モードにはそれぞれの利用枠が残ります。
- 利用枠を共有。 ChatとWorkが同じ利用枠を使う形です。長時間のコーディングや調査タスクによって、短い会話に使える残りの枠が減る可能性があります。
- 一つの適応型エージェント。 モードを手動で切り替えなくても、統合されたシステムが会話、調査、コード作成をいつ行うか判断する形です。個々のメッセージ数を数えるより、バックグラウンド作業で使ったトークンを把握することが重要になるかもしれません。
これらは考えられる設計であり、発表された計画ではありません。統合エージェントは便利に思えるかもしれませんが、個々のユーザーにとって有益かどうかは、OpenAIが利用上限をどう扱い、バックグラウンドでの動作をどう見えるようにするかに左右されます。
料金に関する手がかりだけでは判断できない
コード内の記述と流出したアップグレード画面は、Pro Maxというサブスクリプションの可能性を示しており、資料には月額$500と$600という金額が登場します。プラン一覧には、WorkとCodexの実行速度の向上、メモリの増量、100GBのファイルストレージが記されています。このプランも価格も、最終的な提供内容としては発表されていません。これらの金額から、画面が統合された場合に既存の契約者が何を利用できるようになるかは判断できません。
Cerebras製ハードウェアによって、複雑な推論作業が速くなる可能性があるとの主張もあります。毎秒約700トークンという速度や、タスク所要時間の大幅な短縮は、現時点で得られる資料における予測であり、統合アプリで実証された利点ではありません。処理が速くなったとしても、それだけではChatとWorkの利用上限が別々に維持されるかという実務上の疑問には答えられません。
設計が固まるまでにできること
ユーザーは、すでに確認できる変更を活用できます。重要なプロジェクトや会話をピン留めし、Scheduled Tasksで定期タスクを確認し、GPTsのエリアにある12月11日の移行通知をチェックできます。Custom GPTを移行する場合は、ボタンを押すだけで済んだと思わず、処理の完了を確認する必要があります。
現時点で、統合が正式に発表されたわけではありません。ChatGPTとCodexの画面には共通する要素が増え、一続きの作業環境が実現する可能性はあります。今後開催されるDevDayで明らかになる可能性はありますが、OpenAIが製品設計と利用規則を示すまでは、単一アプリ、共通の利用枠、新たなサブスクリプション条件はいずれも未確定として捉えるべきです。