YouTubeショートは、題材の調査から完成動画まで、4つの異なる役割を経て制作できます。vidIQが実績データを提供し、Claudeが企画とプロンプトを作り、Higgsfieldが映像を生成します。形式に応じて編集が必要な場合は、CapCutでクリップを組み立てます。調査後の制作経路は2つです。30秒のドラマを1つのシーケンスとして生成する方法と、別々に生成した5本のクリップから40秒のランキング動画を作る方法です。
台本を書く前に形式を調べる
MCP(Model Context Protocol)はClaudeが外部サービスのデータにアクセスする仕組みで、これを使ってvidIQをClaudeに接続できます。接続すると、YouTubeチャンネルの分析データ、視聴者指標、検索キーワード、競合の動向をチャットの作業環境に取り込めます。これにより、同じチャンネルの通常の動画より著しく高い成果を上げたショート動画、つまり外れ値を探せます。
設定は3段階です。
- vidIQのアカウント設定で「API Keys」内の「MCP」メニューを開き、コネクターのURLをコピーします。
- Claudeのプロフィール設定で「Customize」から「Connectors」を開き、カスタムのリモートMCPコネクターを追加して、vidIQのURLで認証します。
- Claudeにトレンドのショート動画を調べさせ、各チャンネルの通常の実績と比べて突出した成果を示す形式を特定します。

▲ Claudeと連携したvidIQの実績データ
調査から、超短編ドラマ、順位付きランキング、短時間の教育系ハウツー、AIツールのデモ、ビフォーアフターの変化を見せる動画という5つの候補が挙がります。このうち、生成した画像と動画だけで制作する形式として、超短編ドラマとランキングを選びます。実績データは制作前の候補絞り込みに役立ちますが、外れ値となった形式を選んでも成果が保証されるわけではありません。
ドラマは一貫性を軸に作る
ここで生成するドラマは、舞台を1カ所に保ち、時間を連続させ、登場人物を2人以内にすると効果的です。こうした制約を設けるのは、実務上の問題があるためです。台本が部屋を移動したり時間を飛ばしたりすると、1回のAI動画生成では見た目の一貫性が失われる場合があります。例では、妻と夫がキッチンアイランドを挟み、スマートフォンに届いたメッセージをめぐって対峙します。最後に、相手の女性が妻の姉妹だと明らかになります。
Claudeはこの設定を、6行のセリフを確定させた30秒の台本に仕上げます。動きのある映像を生成する前に、HiggsfieldのGPT Image 2で各登場人物のリファレンスシートを16:9、高画質、4K解像度で作成します。各シートには、ニュートラルなグレーの背景に、全身の正面像と背面像、顔のクローズアップを示します。どのアングルでも髪形、服装、顔立ちを揃えることで、動画モデルに一貫した視覚的な参照情報を与えます。
次に、2枚のシートをHiggsfield上のSeedance 2.5に入力します。1つのプロンプトで、キッチンアイランドを挟んだ2人の立ち位置、カメラアングル、5回のハードカット、照明、セリフの正確な文言、グラスがカウンターに触れる音などを指定します。出力には、発話が同期し、環境音を含む30秒、9:16の縦型1080p動画を指定します。
これは1回の生成であり、カメラを回し続けた1カットではありません。生成されたシーケンス内でカメラは切り替わりますが、登場人物は同じ場面と時間の流れの中にとどまります。この例の完成映像には、リップシンク、表情による反応、生成時の音声が含まれるため、公開前にタイムライン上で組み立てる作業は不要です。
ランキング用クリップには別の役割を与える
ランキング形式のショート動画では、クリップ間で登場人物や共通の場面を維持する必要はありません。5つのパートは意図的に独立しています。例の企画では、果物鉢、停車中のオートバイの後部座席、スーパーのオレンジ売り場、レーザープリンターの排紙トレイ、路地の階段の手すりなど、意外な場所で眠る猫を見せます。
Claudeは8秒のクリップごとに個別のプロンプトを作り、撮影場所、照明、手持ちカメラの動き、周囲の音、画面には映らない撮影者の短い反応を変えます。Seedance 2.5では、キャラクターシートを使わず、テキストから動画を生成するモードでクリップを作ります。目指すのは、ナレーター付きの洗練された映像ではなく、見た目も音もスマートフォンで気軽に撮ったように感じられるAI生成映像です。
各プロンプトでは、縦型フレームの左上と左中央にも余白を残します。後から猫を隠さずにランキングの文字を表示するためです。撮影者の声による反応ではカウントダウンの数字を言わず、ランキングの順序は編集で示します。
CapCutでカウントダウンを組み立てる
8秒のクリップ5本で、40秒のショート動画になります。CapCutは、個別に生成したクリップにはない全体の構成を与えます。

▲ 5本のクリップによるランキング編集
組み立て方は意図的にシンプルです。
- 5本のクリップを読み込み、5位から始めて、最後に最も意外な1位を明かす順に並べます。
- ハードカットでつなぎます。各クリップで生成された環境音と撮影者の反応は残し、トランジション、BGM、動きを伴う画角調整、再生速度の変更は加えません。
- 画面左側に常時表示するカウントダウンを配置します。太字の文字に細い暗色の縁取りを付け、現在の項目を黄色、すでに登場した項目を白で示し、これから登場する項目は暗く表示します。
- 完成した縦型動画を1080pで書き出します。
ハイライトが移ることで、映像を妨げずに進行状況が視覚的に伝わります。ドラマとは異なり、この形式では別々に生成した映像を1本にまとめるために編集タイムラインが欠かせません。
最初に制作経路を選ぶ
まずClaudeでvidIQのデータを確認し、企画に必要なのが一貫性か多様性かを判断します。ドラマなら、Seedance 2.5にシーン全体の生成を依頼する前に、舞台、時間の流れ、キャラクターの参照画像を確定させます。ランキング形式のショート動画なら、文字を置く余白を設けた独立したクリップを生成し、CapCutでカウントダウンを組み立てます。ツールは制作作業の多くを担えますが、形式の選択と最終確認は依然として重要です。