OpenAIがDevDay 2026で発表した機能は、それぞれ使えるようになる時期が異なります。GPT-6.1 Solは低コストのモデルとしてすでに公開されました。OpenAIの新しい自律型アシスタントであるdotは、対象の契約者がまず1つ使えるようになり、テキストメッセージでのやり取りやdotの追加は後の段階に回されています。Decisions APIも発表されましたが、提供時期と料金ははっきりしていません。3つの発表をすべて「誰でもすぐ使えるツール」とひとくくりにするより、こうした違いを押さえる方が重要です。
提供状況の一覧
| 発表 | 利用できる内容・確定している内容 | 後の段階に回された内容・不明な点 |
|---|---|---|
| dots | 対象のProとBusiness Premiumの契約者に当初1つのエージェントを提供。デスクトップアプリまたはブラウザで作成 | テキストメッセージは順番待ちリスト制、当初はモバイルで作成不可、複数エージェントの提供拡大は後日予定 |
| GPT-6.1 Sol | モデルは公開済みで、キャッシュ入力の料金も公表 | すべての製品やアカウントで使えるかどうかは発表からは確定しない |
| Decisions API | 構造化された判断のためのツールとしてOpenAIが発表 | 一般提供の時期、対象、料金は不明 |
dotsは制約付きの個人アシスタントとして始まる
dotは常時稼働するAIエージェントです。つまり、一つひとつの手順ごとに新たな指示を受けなくても、連携したサービスをまたいでタスクを進めるためのソフトウェアです。dotsはGPT-6 Astraで動作し、クラウド上のコンピューターで稼働しながら、ユーザーの好みを徐々に学習します。OpenAIによると、4,000以上のアプリとプラグインからなるエコシステムがあり、連携先にはカレンダー、メール、Slack、Microsoft Teamsが含まれます。
狙いは、アシスタントに答えを尋ねる使い方から、進行中の仕事の管理を手伝わせる使い方への転換です。dotは予定やメッセージを確認し、返信の下書きや次の対応の準備ができます。個人の予定管理や職場での調整に役立つ可能性がある一方、こうしたサービスへのアクセス権を持つ以上、権限設定が重要になります。OpenAIは、組織にかかわる重要な操作についてポリシーによる制御、自動レビュー、ユーザーの承認を用意していると説明しています。

▲ 承認を挟む連携タスク
当初の提供範囲は、「常時稼働」という説明から想像されるより限られています。対象のProとBusiness Premiumの契約者には、まずdotが1つ提供されます。作成はデスクトップアプリかデスクトップのブラウザで行う必要があり、当初はモバイルからは作成できません。dotにテキストメッセージで直接やり取りする機能は、順番待ちリスト制のベータ版です。エージェントの追加は予定されていますが、提供拡大の時期は決まっていません。
利用枠の消費も、dotが何をするかによって変わります。最初の30日間は、最初のdotとの会話が契約者の利用枠を減らしません。一方、ChatGPTやCodexを通じて実行するバックグラウンドタスクは利用上限にカウントされ、導入期間の終了後は通常の利用条件が適用されます。dotsを評価する際は、会話とエージェントが実行する作業とを分けて考える必要があります。
実用上の魅力が最も大きいのは、自分でエージェントの仕組みを組み立てずに統合型のアシスタントを使いたい人かもしれません。すでにカスタマイズ可能なエージェントを運用している人にとっては、基盤モデルを自由に選べる柔軟性を手放してもよいほどの利便性がdotsにあるかが問題になります。これは作業の進め方に応じた判断であり、どちらかの方法が優れていると確定しているわけではありません。
GPT-6.1 Solは具体的なコストの主張を掲げて公開
OpenAIはGPT-6.1 Solを、フラッグシップのGPT-6 Astraと、高速な日常向けのGPT-6 Lunaの中間に位置づけています。うたっているのは、Astraの5分の1の運用コストでAstraに近い知能を提供するという点です。この主張はエージェントによるコーディング、コンピューター操作、専門業務などを対象としたもので、あらゆるタスクで同じ結果が得られる保証と受け取るべきではありません。
開発者にとって最も具体的な公表値は、キャッシュ入力100万トークンあたり$0.10です。トークンはモデルが処理するテキストの単位で、キャッシュ入力とは以前に処理済みで再利用できる入力を指します。OpenAIによると、このキャッシュ入力の料金はGPT-6.1 Solの通常の入力料金より95%安く、GPT-6 Solのキャッシュ入力料金より50%安くなっています。$0.10という数字はキャッシュ入力に適用されるもので、モデルのあらゆる利用に当てはまるわけではありません。
OpenAIはChatGPT Proの月額プランとして$100、$200、$500の3つも掲げています。$500のPro 500プランには、GPT-6 Astraを高速化するオプションであるAstra UltraFastが含まれます。これらのサブスクリプション料金は、公表されたGPT-6.1 Solのキャッシュ入力料金とは別のものであり、dotsを使う際にタスクの利用枠を確認する必要がなくなるわけでもありません。
Decisions APIはより限定的な開発者向けタスクが対象
Decisions APIは、個人向けエージェントとは異なる課題を扱います。APIは、ソフトウェアがプログラムからサービスを呼び出すためのインターフェースです。Decisions APIは自由な会話を生成するのではなく、「はい」か「いいえ」、あるいは複数の選択肢から1つのカテゴリーといった、構造化された選択を返すように設計されています。

▲ 届いたメッセージの構造化された振り分け
開発者はこの仕組みを使い、寄せられたコメントを宣伝目的かそうでないかに振り分けたり、投稿が外部サイトへ誘導しているかを判定したりできます。こうした分類タスクでは、別のソフトウェアがそのまま処理に使える決まった形式の出力が求められます。出力が短い選択だけで済むため、この種の判断向けの処理は、会話型モデルに完全な回答を書かせるより速く、安く済む可能性があります。性能の比較値、提供開始日、料金は示されていません。
計画を立てるうえで重要な違いは次の点です。dotsは個人が連携したサービス全体の作業を調整することを目指し、Decisions APIは開発者が繰り返し届く入力を決められた選択肢に振り分けるのを助けることを目指しています。前者は契約者向けの初期提供が始まる段階にあり、後者はまだ一般に使える構成要素として扱うべきではありません。
今やるべきこと
アカウントがdotsの対象であれば、まず範囲を絞ったタスク1つから始め、連携アプリの権限と承認設定を見直し、バックグラウンド作業を許可する前にどの操作が利用枠を消費するかを確認しましょう。繰り返し発生する文書処理向けにモデルを選ぶなら、GPT-6.1 Solの公表されたキャッシュ入力料金と、自分のワークフローで実際に再利用できる入力量とを比べてください。高速で構造化された分類が必要なら、カテゴリーは今のうちに決めておき、Decisions APIの提供条件と料金が明確になるまでは頼らないようにしましょう。